「ケア発想の歯周治療 SPTの重要性について」

2016.07.11 Monday 16:49
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    東京医科歯科大学の臨床教授である内山茂先生の講演会に行ってきました。
    歯周治療成功のカギは、徹底した患者支援。SPT(サポーティブ・ペリオドンタル・セラピー)の目的は、歯周病の2大要因である炎症と力を継続してコントロールしながら「病状の安定」を図ることにあるそうです。
    炎症と力が口腔内に及ぼす様々な兆候を見逃さないためのポイントについて聴くことができました。


    1,SPTで防げる歯の喪失数

    患者1名あたりの年間喪失歯数
    ・検査だけで中断した場合→0.36本
    ・動的治療もメインテナンスもした場合→0.11本
    ☆質の高いSPTをした場合、歯の喪失数は3倍くらい違いがある。


    2, 歯肉縁上プラークコントロールの重要性

    通常の歯周治療後の上皮性付着は破壊されやすい。
    ただし、歯肉からの出血があっても、付着が破壊されているとは限らない。→まずは、歯肉縁上から!

    *継続的な歯肉縁上プラークコントロールが、歯肉縁下細菌叢に及ぼす影響
    〃兮海靴浸肉縁上プラークコントロールが徹底されていなければ、歯肉縁下デブライドメントを行っても治癒が悪く、再発が起こりうる。
    SPT時においては、徹底した歯肉縁上プラークコントロールにより歯肉縁上のみならず歯肉縁下の菌数が減少し、歯周組織の健康が保たれることが、臨床的所見からも細菌学的所見からも示された。

    *メインテナンス期間中にスケーリングとルート・プレーニングを繰り返し行っても行わなくてもプロービングデプスとアタッチメントアゲイン(ロス)に変化はなかった。
    *SPTのたびに、浅い出血部位に通常の機械的な歯肉縁下デブライドメントを行うと、アタッチメントロスを起こす結果となってしまう。

    ☆SPTでは、患者自身によるブラッシングのチェックと、専門家による歯肉縁上のサポーティブケア(PMTC,ディプラーキング)が大切!


    3,やむを得ず、歯肉縁下を触らなければいけない場合

    ・ペリオドンタル・デブライドメントを行う。(歯肉縁下のプラーク、歯石、汚染歯根面、不良肉芽組織の除去)
    ・ただし、セメント質は必要以上に除去しない。(エンドトキシンは歯石の表面上に存在している)
    ・過度なルートプレーニングに注意。(わずか数ミクロンの細菌が付着できないほどの滑沢さをSRPで得ることは不可能)

    ☆SRP、歯周デブライドメントにおいては、根面の完全な滑沢化や、エンドトキシンの完全な除去が必要なわけではなく、生体が許容できる範囲まで細菌性刺激が減じられていることが重要。


    4,SPTにおける力のコントロール

    1〜2歯に限局した
    〇の動揺
    骨レベルの低下・歯根膜腔の拡大
    6表蠹なポケットの増加
    がみられると力が関係している可能性がある。

    *フレミタスがないか衛生士も確認する。(上下の歯をカチカチ噛み合わせると、ある特定の歯にだけ振動があると早期接触あり)

    ☆咬合は歯周病の修飾因子であり、それ自体が歯周病を誘発することはない。
    まずは、プラークを始めとする発症性因子の除去を第一目的にする。
    (咬合干渉により著しい歯の動揺を認める場合に限り、炎症のコントロールと平行して咬合調整を行う。)


    5,トゥース・ウエア

    〇誠(酸による歯の科学的溶解)
    咬耗(歯の接触による機械的な歯の摩耗)
    K猝廖併の接触以外の機械的作用による歯の摩耗)
    ぅ▲屮侫薀ション(バイオメカニカルな荷重による歯質の喪失)
    この4つは複合病変。(↓い藁呂関係している。)

    Q.食事のあと、30分以内は歯を磨かない方が良いのか??
    A.・酸蝕を起こしやすい物を、食後などに多く摂取した場合には、要注意。
    ・就寝前に炭酸飲料などを、チビチビ飲んだ(15分以上かけて飲む)後のブラッシングも要注意。
    ・通常の食べ物では、酸蝕よりも齲蝕の方が心配なので、速やかにブラッシングすべき。


    6,セメント質剥離

    局所的に急激な歯周組織の破壊を起こす特殊な歯根破折であり、無菌炎症。(骨折.外傷なども無菌炎症)
    その原因は、加齢や摩耗などと関連する連続的な過度のストレス。

    セメント質剥離による歯周病変が口腔と交通する場合、早期のSRPによって破折片を完全に除去することができる。それにより、組織の治癒が期待できる。

    ☆力…キーワードは「気づく」
    早期発見が重要!
    そのためには長期間に渡ってきちんと記録された多数の症例を観察することが大切。


    7,感想
    今回はSPTについて色々なことを学ぶことができました。
    歯周治療の際、ポケットが深くBOPがあったりすると、ついキュア型の治療を考えがちですが、今回の講演会で歯周治療はケア型の治療が特に大切だと思いました。
    歯周病の最大のリスク「患者さんが来なくなる」ということ避けるために、患者さん一人一人に合わせたアプローチの仕方を考えていかなければいけないと思いました。


    記:みや

    category:- | by:院長 高見澤 紳治 | - | -

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